"Thirty-six views of Mt. Fuji/South Wind, Clear Sky" Hokusai Katsusika"
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快晴の藍色の空に棚引く白い鰯雲、その空を凱風(南風)が吹き渡っていく。雄大な富士の姿は泰然として揺るがない。
富士の圧倒的な存在感を表したものとしてこれ以上のものはない。
夏の終りから初秋にかけての早朝、朝焼けを浴びて富士が赤く染まることがあるらしく、その情景を描いたものと言われる。通称「赤富士」とも。
異説として、単に意匠としてインパクトを持たせるために赤色にした、と言う説もある。
北斎には既成の概念に囚われない大胆さと同時に、その大胆さの元になる「Fact」がある。
北斎の写実主義とはそう言うものであるように思う。従って「単に意匠として」という説に私は与(くみ)しない。
また、この富士はどこからの眺めか、と言う議論も盛んである。
シリーズの中で、空を背景として富士の山体だけを描いているのはこの図のみで、構図がほぼ同一と言ってよい『山下白雨』には遠景の山も描かれている。
北斎は富嶽シリーズにかける情熱をこの図に象徴的に注いだのではないか。画面から夾雑物の一切を捨象して「The Fuji」を描いたのではないか。 だから「どこからの眺めか」の議論はさほど意味を持たない。
富嶽シリーズは出版順が定かではないが、この図が最初に出版され、シリーズ大成功の鏑矢となったのではないか。
ともあれ、富嶽シリーズ全46図の中で、『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』と双璧をなす代表作と言える。
全46図が北斎72歳の作品群である事を思えば、その才能は言うに及ばず、彼のエネルギーは常人の及ぶところではない。
シリーズ題からは全部で36図ではないのか?と疑問を持つ方も多い。
実は当初の企画はシリーズ題通りに36図の予定であったが、版元の永寿堂西村屋与八は売行きがよかったので10図を追加出版し、全46図となったのである。
追加出版の10図には少し手抜きがある。
当初出版の36図は主版(おもはん、輪郭線の版)の摺りに高価なベロ藍を使った。
ベロ藍はプルシャンブルーとも言い、当時プロシア(ドイツ)で開発された顔料が日本に流入し、その発色の良さから多くの絵師が使った。
北斎ブルーとも呼ばれる顔料だが、富嶽三十六景で使用されてから評判になったというのは俗説、渓齊英泉が先に使ったようだ。
しかし、追加出版の10図は主版に印刷原価の安い墨を使っており、輪郭線が墨色なので誰にでも判別できる。
通称では当初出版36図を「表富士」と言い、追加出版10図を「裏富士」と言う。
The wind blow from the south in early autumn. The morning glow changes the color of Mt. Fuji to the red.
There is two interpretations about the red color of this pic.
One is he just drew the impression of that fact, and the other is he tried to express an impact as only design.
But I think, actually he's an adventurous realist, but he didn't try the unfactual adventure on drawing.
Among these all 46 pics in the “Thirty-six views of Mt. Fuji” series, this pic and “The Great Wave off Kanagawa” could be two masterpieces.
Considering that this series is the works at 72-years old, he had not only the great talent, but also the energy much more than other painters.
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