1/2

"Thirty-six views of Mt. Fuji/Sunset across the Ryogoku bridge from the bank of the Sumida River at Onmayagashi"  "Hokusai Katsusika"

¥3,900 税込

別途送料がかかります。送料を確認する

この商品は海外配送できる商品です。

~両国橋の架橋は1659年(万治2年)若しくは1661年(寛文元年)と考えられているから、「富嶽三十六景」の初版が作られ初めた1830年(天保元年)頃より170年も昔です。
この橋は隅田川に架橋されていた千住大橋に続く2番目の橋で、名称は当初「大橋」と呼ばれていたようです。長さ94間(約170m)、幅4間(約7m)だったらしいから、木造橋でこれだけの距離を架橋したのは大変な技術と言うべきでしょう。
1693年(元禄6年)に新たな「新大橋」が作られると、川を挟んで武蔵国(むさしのくに)と下総国(しもうさのくに)との二つの国にまたがる橋であることから、通称「両国橋」と呼ばれるようになりました。
御厩川岸(おんまやがし)と言うのは幕府の馬小屋があったここら辺りにあったからで、「厩」はこの一文字で「うまや」と読みます。その御厩川岸と両国側を結ぶ「御厩の渡し」がここにあったのです。
図では両国橋の向こうに富士山が見えるので、この渡し舟は両国から蔵前(御厩川岸)へ渡る舟と言うことになります。

ここから見える富士山は南西の方角になり、渡し船の舳先は夕日の沈むほぼ西方向を向いており、夕日は画面の右端より更に右の画面の外に沈むことなる。
これもまた北斎の構図の意図が見られます。この図に夕陽を描けば興ざめな図になるだけでなく、当時の顔料では色彩的コントラストが非常に難しくなったであろうと思われる。
西の方角を画面の外にすることで、夕日を描くことなく逆光の中に富士や対岸の町並みのシルエットを弱く浮かび上がらせている。シルエットの藍色はまさに暮れなずむ刻限の影が赤の反対色の青っぽく見える瞬間を表している。
その美しい暮れの景色に目もくれず舳先(へさき)で居眠る男がいる。行商に疲れたのであろうか。また雑多な小道具(大きな背負い箱、天秤棒、按摩の杖、鳥刺しの竿など)を持つ船客たちにも、それぞれの一日の終りの雰囲気が漂っている。
青い川波のうねりの中を船頭が力強く櫓を漕いでいる。彼にとってもまたこれが今日最後の渡しなのであろうか、見慣れた富士を見ながら感慨に耽っているような背中である。

商品をアプリでお気に入り
  • 送料・配送方法について

  • お支払い方法について

¥3,900 税込

最近チェックした商品
    同じカテゴリの商品
      セール中の商品
        その他の商品