"Thirty-six Views of Mt. Fuji/Barrier Town on the Sumida River " Hokusai Katsushika
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北斎の富嶽シリーズは概して静的な作品が多い中で、この「隅田川関屋の里」は最も動きのある作品と言えるでしょう。
関屋の里は千住宿にあった場所で、その地名は現在でも千住関屋町や京成本線京成関屋駅にその名が残っています。関屋とは関所の番人が詰める小屋のことです。
千住宿は、江戸日本橋を起点とする日光道中と奥州道中(現在は街道、当時はこう表現され「経路」というようなニュアンスで使われていたようです)の最初の宿場で、
交通・物流の要衝として大変な賑わいを見せ、遊郭すらあったようです。
東海道品川宿、中山道板橋宿、甲州街道内藤新宿と並んで、千住宿は江戸四宿のひとつに数えられました。
疾走する三騎の馬と湿地を曲がりくねって伸びる街道が見事な躍動感を与えていますが、よく見ると騎乗するのは刀を腰に差した武士です。
私はこの図を初めて見たとき、着物の柄といい、着物をなびかせる姿といい、小粋な感じがして武士とは思わなかった。
遠景の富士は赤く染まっているので、領国に大事を知らせる早朝の出立なのでしょうか。
右端に高札場(こうさつば、法度や掟書を板書で掲示する場所)が見える事から、宿場を出てすぐの街道をまさに今、駆けだしたところでしょう。
遠くに見える草地は、屋根を葺(ふ)く茅を収穫したり、馬の餌である秣(まぐさ)を刈り取ったりする「茅場」です。
この辺りは、元和2(1616)年に新田開発され、以後も開発が続いたようですが、まだまだ、茅場としてしか使いようのない低湿地が残っていたようです。
日本橋茅場町もまた「茅場」に由来する地名です。
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